いくつかの話題をまとめて出そうと思ったのですが、町田ゼルビアのJリーグ入会予備審査落選関連だけで長文になってしまいましたので、本日はこの件だけにします。
町田ゼルビアのJリーグ入会予備審査落選について記者会見がありました。オイラが得ている情報は報道ベースのもののみです。
オイラも社会人をやらせていただいているので、いろいろなパターンのプレゼンテーションは本業のほうで見ましたが・・・。なんといいますか、記者会見は「いかに町田市が正しいかを一方的に主張する会」だったんじゃあないかなあと思われます(会見場にいたわけではないので本当は違うかもしれませんが・・・)。ただただ町田市がいかにがんばっていたかを発表するだけで、これは鵜呑みには出来ないぞと思いました。Jリーグ側の発表がなければ下手すれば欠席裁判です。がんばっているのであれば引く必要はありませんが、実際はあっさり引いてしまっていますのですから、立場が悪いです。
この事件が発生した原因は、JリーグがAFCより導入命令を受けている「クラブライセンス制度」に対して、そちらへの移行のしかたに無理があったからと思われます。JリーグのほうがAFCより厳しいレギュレーションになるのは、日本の物価や生活水準が他のアジアより高いからでしょう。高いほうが転んだときにする怪我が大きくなりますから・・・。そのレギュレーションを2013年開幕前までに揃えなければならないということで、猶予期間を与えるつもりで前倒しで2010年にスタジアム検査要綱を作ったら、以前のスタジアム検査要綱クリアギリギリで申し込んでいたクラブ(町田ゼルビア)があったことに後で気がついたといったところだと思います。既存JクラブやACLに目が行って、昇格組どころではなかったのでしょう。今年がそんな年だったのは運が悪かったと思います。
クラブライセンス制度が運用されれば、従来は認められていたことが認められなくなります。最もこの制度に引っかかる可能性が高いと思われる日立柏サッカー場での試合は制限されるでしょう。大分やヴェルディはここまでに債務を圧縮しなかったらJFLに行くことになるかもしれません。今年さっくりゼルビアが昇格しても、クラブライセンス制度をもとにスタジアムを理由に降格させることになるのでしょうから、だったら上げないでおこうという論理も働くと思います。
上げない理由としては、現在のゼルビア関係の自治体からの投資に2013年の国民体育大会が名目として使われており、2013年までは投資の名目があるので、更なる設備改善が出来るとみたからなのではないでしょうか?。県や市の施設(周辺道路までも含む)は47年に一度の国体を名目に予算が下りているところがあり、なんと2002年のワールドカップスタジアムも国体での使用を前提とした「予算の前倒し」になっております(日産スタジアムが1998年に出来たのもこの年の国体のためです)。2013年以降は町田市に大予算が付く可能性が下がりますので、「やるなら今のうちに」とJリーグ側も考えたのかもしれません。そしてかつて施設面にたくさんクレームをつけて改修部分を増やしたニンスタ(愛媛FC)が、それでもJ2ワーストクラスの施設として、スタジアムが集客などに悪影響を与えているので、その反省から新規の昇格に厳しくなったと思われます。そういえば愛媛の騒動のときも今回の騒動のときもチェアマンはアントラーズ出身でした。鹿島アントラーズは住友金属からの支援がある上で茨城県からもかなりの支援を受けて、あんな僻地に「茨城県立カシマサッカースタジアム」を建てておりますから、その血が騒ぐのかもしれません。
J1の試合に12,000枚ちょっとしかチケットを販売しなかった「御三家」のスタジアムである日立柏サッカー場は論外ですが、市原臨海・敷島・栃木グリーンスタジアムなどには例外を認めております。これは昇格する時点で改修計画があれば認めているので、なにもJリーグ開幕の時点で完成している必要はありません。しかし町田市立陸上競技場には例外が認められませんでしたので、2011年以降にさらに改修する計画が用意されていないものと思われます。
オイラは2009年・2010年と野津田の町田市立陸上競技場に2試合ずつ行っておりますが、この競技場は2009年時点で厚木の荻野運動公園陸上競技場と似た構造のスタジアムです(おそらく厚木が町田の図面を真似したと思われます)。今回の町田の工事ではバックスタンドとサイドスタンド(ゴール裏)を改修するそうですが、メインスタンドは椅子の交換のみのようです。しかしこのメインスタンドの内部は、小さな平塚競技場で比べても2/3以下くらいの屋内スペースしかありません。町田市立陸上競技場は存じませんが、近いサイズの荻野運動公園陸上競技場には入ったことがあり、用具倉庫が場所をとっているので2009年のリーグの基準もクリアできそうにないと思います。物理的に2010年の基準の設備を町田市立陸上競技場に詰め込むことは難しいのではないでしょうか?。となると「メインを改修しない」の一報でJリーグも充分と判断し、図面の時点で判定を下すことも考えられます。町田側の主張では情状酌量があると思っていたそうですが、最初から情状酌量ありきでお願いをするということは、普通の商取引や採用面接では考えられません。基準をクリアしていなかった群馬や栃木はまがりなりにも「当時の基準」で「計画だけは出している」のですから、町田も「現在の基準」で計画くらいは出す必要があったのかもしれません(構想だけなら3月に基準変更の通告が来てすぐに議会に提示することは出来たかもしれません)。J2になるとtotoの対象になるのですから、あまりにも設備が足りないと、そっちのほうからもクレームが来る可能性があります。
個人的には、町田は「Jリーグ史上初めてJ1を最初から放棄しているクラブ」なのですから、ACLに直結するルールから外してJ2限定で昇格させてもいいとは思いますけどねえ・・・。J1非対応スタジアムのクラブのうち、北九州は一応新スタジアム建設を計画に上げており(この計画が反故にされそうなので次の町田に対しては認めないのでは?)、水戸はホームタウン内に笠松がありますが、町田は町田市のみでの活動を謳っております。確かに野津田は極端に駐車場が少なく、道路が細いので帰りの渋滞が激しく、そもそも山の中腹に造ってしまったのでタダ観可能スタジアムで、最高入場者数7,081人(2010年鳥取戦)は歴代J2昇格クラブ+鳥取の中で過去最低で、栃木ウーヴァ戦の再入場のチケットチェックが招待券を提示している客が異常に多く驚きましたし、オールプロチームでありながら単価が安すぎるため2010年のシーズンチケットの売り上げを足し算すると400万円に満たないことがホームページの記載から算出できますし、基準を満たしたスタジアムがある倍近い人口の相模原市にもJリーグ準加盟クラブがありますが、町田市出身のサッカー選手は多いですからねえ。17年もJリーグがあるのに平塚市出身のサッカー選手が野球どころの厚木市より少ない2名しか思い浮かばないのとは大違いです。
あとは「最初から情状酌量ありき」という消極策をとった町田市がやる気を出すかにかかっていると思います。おそらくメインスタンド改築が要望されるでしょう。改築すればJ1にも上がれる規格になると思いますが、莫大な費用がかかることでしょうね。
「親会社がある」
「県と同じ権限がある政令指定都市のクラブ」
「県で唯一のJクラブ」
この3つのいずれにも該当しないクラブは、あれだけJリーグクラブがあって湘南ベルマーレと水戸ホーリーホックしかございません。そのベルマーレでさえJリーグ昇格時は「フジタ」という親会社が付いておりましたし、ベルマーレは11番目というまだクラブ数が少ない時期の昇格だったから何とかなったと思います(水戸は28番目のJクラブだった)。町田がJリーグに参入すれば3番目の事例だったのですが、39番目(横浜フリューゲルスと横浜FCは区別してカウントしております)で親会社もありませんから、我々より大変なのは想像できます。加えてあの立地ですからねえ・・・。
実は湘南も「クラブライセンス制度」については対岸の火事ではありません。客席のバリアフリー関連は確実にアウトでしょう。また18,500人収容というのも、チケット販売実績的に本当は15,000人収容で消防法をクリアしていると思われ、ギリギリです。早急に改修を希望したいところですが、昨日の記事で書いたとおり、平塚市は平塚市役所や平塚市民センターなど老朽化した建物が「歴代市長は何をやっていたんだ?」級にいくつも更新先送りをされており、かなり厳しいと思います。「そこを何とか」と優先順位を上げさせるための数字を挙げる施策はベルマーレもとらなければならないでしょう。2010年は厚木市ともども戦後初の市民人口減を発表して叩かれることがあらかじめ見込まれている平塚市ですから、容易ではありません。
今回初めて知ったのですが、愛媛・岐阜・熊本・栃木・富山・岡山・北九州はJFLで7,000人以上集客した試合があるのですね。ではなぜ岡山以外は平均集客が何倍もあるJ2で逆に集客が減ったのかなあ?とは誰もが思うことだと思います。
<追記>でも、埼玉スタジアムしかクリアしていない検査基準で町田が落ちるのなら、なぜ同じ検査を受けた鳥取と松本がスタジアムで落選していないのでしょう?。JFLはJ1よりいいスタジアムを使っているか、町田がウソをついているかのいずれかでしょうね。
最近のコメント